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ヴァンクリーフ&アーペルを愛した歌姫 マリア・カラス。その生涯とダイヤモンドのストーリー

「ヴァンクリーフ&アーペル」は、フランスを代表し、世界でも高い評価を得ているハイジュエラーのひとつです。多くの著名人から愛されているヴァンクリーフ&アーペルの顧客には、20世紀最高の歌姫と語り継がれているマリア・カラスがいました。ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーを身につけてオペラの世界を駆け上がったマリア・カラスは、まるでオペラで演じられる悲劇のような劇的な人生を送ったとされています。
ここでは、マリア・カラスが送った人生と、彼女が愛したジュエリーについてご紹介します。

 

ヴァンクリーフ&アーペルとマリア・カラス

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ヴァンクリーフ&アーペルは、1906年に創業したフランスのハイジュエラーです。パリのヴァンドーム広場22番地に建てた最初の店舗は今も健在で、職人たちがアトリエでジュエリーの制作に勤めています。ヴァンクリーフ&アーペルの人気は、ジャクリーン・ケネディ・オナシスやマレーネ・ディートリッヒなど名立たる著名人に愛され、モナコ公室からも御用達とされるほどです。

そんなヴァンクリーフ&アーペルを愛した著名人のひとりに、世界を代表するソプラノ歌手、マリア・カラスがいました。マリア・カラスはジュエリーに関する深い知識と豊かな感性を持ち、ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーを身にまとってオペラの会場を沸かせ、足しげくヴァンドーム広場の22番地に通ったといいます。

20世紀最高の歌姫とまで賞賛されたマリア・カラスでしたが、その人生は華やかなばかりではなく、恋愛においては悲劇を演じるような壮絶なストーリーを辿ったとされています。

 

マリア・カラスが辿った激動の生涯5-3

 

ギリシャからの移民の家庭で育ったマリア・カラスは、生まれのニューヨークでは貧しい暮らしを送っていましたが、歌声の才能には恵まれていました。生活のために歌っていたマリア・カラスは、その高い歌唱力が評価され、ある音楽祭のオーディションにて主役の座を射止めます。この出来事が転機となり、マリア・カラスはオペラ歌手として栄光の時代を駆け上がることになります。

最初の結婚は、マリア・カラスが26歳のとき、28歳年上のメネギーニとの略奪愛でした。妻のいたメネギーニと不倫の末に結婚したマリア・カラスは、当時、世間からの冷たい視線を多く受けたといいます。

それでも、メネギーニの支えもあり、マリア・カラスはオペラ歌手として高い名声を勝ち取るに至ります。億万長者になるほどの収入を得るようになり、ハイジュエリーも多く身につけるようになりました。マリア・カラスが身につけるダイヤモンドや真珠はどれも大粒で、インパクトのあるデザインを好んだといいます。

しかし、やがてメネギーニへの強い愛がだんだんと冷めていきます。そんなときに出会ったのが、貿易業にて大きな成功を納めた海運王、アリストテレス・オナシスでした。マリア・カラスに惹かれたオナシスが熱烈なアプローチを行い、マリア・カラスはやがて心からオナシスを愛するようになります。しかし、2人ともが配偶者のいる身で交際をしていたため、再び世間から強いバッシングを受けることになります。

オナシスへの一途な愛を選んだマリア・カラスは、次第にオペラ劇場からも遠ざかることになりますが、この愛も永遠に続くことはありませんでした。オナシスはマリア・カラスの愛を裏切り、ジャックリーヌ・ケネディと結婚したのです。ショックのあまり、マリア・カラスは睡眠薬にて自殺を図ったとされています。

その後も何人かの恋人を作ったとされるマリア・カラスですが、真実の愛を誓った婚約指輪をその指に輝かせることは叶わなかったようです。

 

マリア・カラスが愛した、クリップや婚約指輪などのハイジュエリー

オペラ歌手として高い名声を得たマリア・カラスは、ハイジュエリーをよく好んだといいます。コレクターとしても知られるマリア・カラスのお気に入りのひとつが、ヴァンクリーフ&アーペルの「フルールクリップ」です。フルールクリップは5枚の葉をモチーフにしたプラチナ製のクリップで、ルビーやダイヤモンドできらびやかに装飾されています。ルビーは、ミャンマー産のオーバル型クッションカットのものです。計6つ、15.77カラットもの重さのルビーがあしらわれています。ダイヤモンドの質量は16.35カラットにもなり、バゲットカットのダイヤモンド、マルキーズカットのダイヤモンド、ラウンドカットのダイヤモンドが多くあしらわれています。

マリア・カラスが所持していたジュエリーの数々は、21世紀に入ってから、2回のオークションに出品されています。最初に行われたのは2004年のことで、マーキースカットのダイヤモンドリングを含め11点が出品されました。このダイヤモンドリングはそのときの最高値を記録し、約4,180万円で落札されたといいます。11.71カラットのダイヤモンドは婚約指輪に一般的に使われるものより遥かに大きく、マリア・カラスの名声の高さをうかがい知ることができます。

 

歴史を彩るジュエリー

オペラ歌手として大きな成功を収めたマリア・カラスは、ダイヤモンドなどのジュエリーをこよなく愛していました。ダイヤモンドは現在、婚約指輪として最も多く選ばれているジュエリーであり、多くの女性の憧れだといえます。ダイヤモンドが婚約指輪のジュエリーとして強い人気を得るに至ったのは、マリア・カラスなど輝く女性が人気を博したからかもしれません。

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