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400カラットの巨大なピンクダイヤモンドから生まれた2つの宝石

婚約指輪のメインストーンとして、多くの女性を魅了し続けるダイヤモンド。無色透明の他、ブルー、ピンク、イエローなどさまざまなカラーがあり、なかでもピンクダイヤモンドは愛くるしい見た目で、女性から人気を集めています。そんなピンクダイヤモンドのなかでも、世界最大級といわれているのが「ディアマンタ・グランデ・テーブル」です。そこで今回は、この大きなピンクダイヤモンドについてご紹介します。

 

インドで見つかった巨大なダイヤモンド

ディアマンタ・グランデ・テーブルは、インドのゴルコンダ鉱山で採掘されたといわれています。約400カラットという巨大なピンクダイヤモンドは、今までに知られているピンクダイヤモンドのなかで最も大きいピンクダイヤモンドだといわれています。そんなディアマンタ・グランデ・テーブルは、とあるタイミングで「ダリヤ・イ・ヌル」と「ヌル・ウル・アイン」という2つのダイヤモンドに分割されます。ダリヤ・イ・ヌルは約180カラットで、現時点で世界一大きいピンクダイヤモンドです。ヌル・ウル・アインは約60カラットで、ダリヤ・イ・ヌルに次いで2番目に大きいピンクダイヤモンドだとされています。

 

巨大ピンクダイヤモンドの歴史

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ディアマンタ・グランデ・テーブルの歴史は、1642年にまで遡ります。当時、ディアマンタ・グランデ・テーブルはインドのムガル帝国第5代君主シャー・ジャハーンが所有していました。シャー・ジャハーンは有名な宝石コレクターで、他にも「コ・イ・ヌール」や「ティムール・ルビー」などの有名な宝石も所有していたそうです。1642年に宝石商のジャン=バティスト・タヴェルニエがインドを訪問した際、シャー・ジャハーンは彼にディアマンタ・グランデ・テーブルを披露したとされています。

 

シャー・ジャハーンから次の代へ、またその次の代へと受け継がれてきたディアマンタ・グランデ・テーブルは、やがてムガル帝国代12代君主ムハンマド・シャーの手に渡ります。しかし、1739年にムガル帝国はアフシャール朝に攻め込まれ、アフシャール朝を率いていたナーディル・シャーに財産のほとんどを奪われてしまいます。奪われた財産の総額は7億ルピー(約11億9000万円)にも及ぶといわれており、そのなかにはディアマンタ・グランデ・テーブルの姿もありました。その後、ディアマンタ・グランデ・テーブルは「ダリヤ・イ・ヌル」と「ヌル・ウル・アイン」という2つの宝石に分割されたといわれています。

 

そして時が経ち、1747年にナーディル・シャーが暗殺され、やがて王朝は分裂します。ナーディル・シャーの代から引き継がれてきた宝石たちは、その後、ティムール朝の第3代君主シャー・ルフの手に渡ります。しかし、ティムール朝へと攻め込んできたガージャール朝のアーカー・ムハンマド・ハーンから酷い拷問を受けたシャー・ルフは次々に宝石を手放すことになり、やがてダリヤ・イ・ヌルとヌル・ウル・アインも奪われてしまいました。

 

2つのピンクダイヤモンドを手に入れたアーカー・ムハンマド・ハーンでしたが、彼もまた1797年に暗殺されてしまいます。そんな彼の後を継いだのがガージャール朝第2代君主ファトフ・アリー・シャーです。宝石コレクターとして知られていたファトフ・アリー・シャーは、このときダリヤ・イ・ヌルに自身の名を刻んだそうです。

 

このようにさまざまな人の手を渡ってきたダリヤ・イ・ヌルは、現在は宝冠の装飾として用いられ「光の海」という呼び名で親しまれています。一方、ヌル・ウル・アインはアメリカの宝石商ハリー・ウィンストンの技術により、1958年にティアラの一部として生まれ変わっています。

 

ピンクダイヤモンドの婚約指輪にうっとり

世界で1番目と2番目に大きいピンクダイヤモンドとされるダリヤ・イ・ヌルとヌル・ウル・アインは、奇跡のピンクダイヤモンドだといわれています。というのも、実は、今後は100カラットを超えるピンクダイヤモンドが採掘される可能性が限りなく低いからです。ピンクダイヤモンドの主な採掘地であるオーストラリアのアーガイル鉱山は、2020年に閉山すると噂されています。もともとピンクダイヤモンドの産出量は、非常に希少で、ホワイトダイヤモンドの「0.1%」といわれていたうえに、アーガイル鉱山の閉山に伴って、ピンクダイヤモンドの希少性はますます高くなると予測されています。このような背景から、巨大ピンクダイヤモンドの2つは「奇跡」と呼ばれるようになったのです。

 

婚約指輪の宝石には、そんな希少性の高いピンクダイヤモンドを選ぶのもよいかもしれませんね。婚約指輪は一生に一度の贈り物になるので、心を込めて選ぶ必要があります。ピンクダイヤモンドのように特別な宝石をプラチナやシルバーのリングに埋め込めば、お互いの愛情を感じられる素敵な婚約指輪になるでしょう。ご紹介したようなピンクダイヤモンドの背景とその希少性を知っていれば、ピンクダイヤモンドを見るたびに「奇跡」を感じられる、特別な婚約指輪になるに違いありません。

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