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イギリス国王に献上された世界最大のダイヤモンド原石「カリナン」

婚約指輪の宝石として人気が高いダイヤモンド。ダイヤモンドは婚約指輪などの、さまざまなジュエリーに使用されており、多くの女性達を虜にしています。

そんなダイヤモンドは、世界的にも有名なものが多数存在しています。なかでも「カリナン」は、今世紀最大のダイヤモンドとして世界中からの脚光を浴びています。そこで今回は、カリナンの発掘から現在に至るまでの歴史や、そのエピソードをご紹介していきます。

 

誰かのイタズラ?あまりにも大きいダイヤモンド原石が発見された

The Boers of the Transvaal, vintage engraved illustration. Journal des Voyage, Travel Journal, (1880-81).

今から1世紀以上も前の1905年。南アフリカ(旧トランスヴァール共和国)の鉱山で、世界最大級のダイヤモンド原石が発掘されました。その原石は、鉱山の所有者であるサー・トーマス・カリナンにちなんで「カリナン」と名付けられました。この原石の大きさは3,106カラット、重さに換算すると621gもありました。発見した鉱夫は、その大きすぎるサイズを見て、誰かがイタズラでガラスを埋めたと勘違いしたそうです。

ちなみに、カリナンが発掘されるよりも前に世界最大のサイズだったダイヤモンド原石は、1893年に発掘された「エクセルシア」です。当時のエクセルシアの大きさは約970カラット(190g)でした。このことからも、3106カラットのカリナンが桁外れに大きいことがわかります。鉱夫がガラスと勘違いしてしまうことも、仕方のないことかもしれません。

 

舞台はアフリカからイギリスへと…エドワード7世に献上されたカリナン

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カリナンは発見されてしばらくは、南アフリカ・ヨハネスブルグとイギリス・ロンドンにて展示されていました。しかし、あまりにも高価であったことから買い手がつかず、南アフリカのトランスヴァール政府に買い取られることになります。そして1907年、そのトランスヴァール政府はイギリス国王・エドワード7世の66歳の誕生日にカリナンを献上しました。

そのカリナンをイギリスへと輸送する際、盗賊からカリナンを守るためにある計画が実行されました。それが「ダミーを用意する」というもの。カリナンを輸送すると公表した船にはダミーの石を乗せ、本物のカリナンは何の変哲もない普通郵便でロンドンまで送られました。実際、ダミーを乗せた船は何度か盗難の危機に陥ったそう。

そうして無事にエドワード7世のもとに送り届けられたカリナンは、オランダ・アムステルダムにあるアッシャー社にカットを委ねられることになります。ロンドンからアムステルダムまでの輸送の際にも、遊び心のあるユニークな計画が実行されました。カリナンの輸送は、イギリス海軍の駆逐艦が担当すると発表されたのですが、実際に駆逐艦に積み込まれたのは、またもやダミーの石。本物のカリナンは、社長のアッシャー氏がポケットに入れてアムステルダムまで運びました。まさかイギリス国王の宝がポケットに入って、船と汽車を乗り継ぎながらアムステルダムまで運ばれるとは、盗賊も思いもしなかったでしょう。こうしてカリナンは、アッシャー社に無事到着をすることができたのです。

 

9個の大きな石と96個の小さな石に姿を変えたカリナン

black and white image of a vintage jeweler tools and diamonds over wooden bench, blank card for your business

カリナンのカットを担当したのは、アッシャー社に20年勤めていたアンリ・コー。素晴らしい技術をもつ職人を抱えるアッシャー社のなかでも、最高の腕をもつ研磨職人だと称賛されていた人物です。

まず、アンリ・コーは原石を2つに割ることを決めました。しかしながら、イギリス国王の宝であるカリナンを割るという作業は、アンリ・コーに今まで味わったことのない緊張とプレッシャーをもたらします。実際に、原石を割る一撃を与えた瞬間、アンリ・コーは気絶してしまったそうです。そして、目を覚ましたアンリ・コーが見たのは、無事に綺麗に割れた2つの原石。アンリ・コーの緊張が安堵に変わったその瞬間、彼は再び気絶してしまったそうです。

ちなみに、アッシャー社はカリナンのカットと研磨のために、特注の機材を用意していました。研磨作業は3人の職人が担当しました。3人が1日14時間働き、およそ8ヶ月をかけてカリナンを磨きあげました。これらの逸話から、カリナンのカットと研磨がどれだけ緊迫した作業だったのかを知ることができます。

こうして、カリナンは9つの大きな石と96個の小さな石に切り出されました。9つの石は大きい順にカリナンⅠ~Ⅸと名付けられました。なかでも一番大きなカリナンⅠ世は「The Great Star of Africa (偉大なアフリカの星)」と呼ばれ、残りのカリナンⅡ~Ⅸは「Lesser Star of Africa(アフリカの小さな星)」と呼ばれています。現在、カリナンⅠ~Ⅸはすべて、イギリス王室や王族個人の所有物となっています。このうち、カリナンⅠは王笏に、カリナンⅡは王冠に飾られ、ロンドン塔に永久展示されています。

 

至高の美しさを婚約指輪に

今世紀最大のダイヤモンド原石といわれるカリナンは、発掘から1世紀以上が経った今でも多くの人々の話題を集めています。婚約指輪をはじめ、ダイヤモンドジュエリーに関心のある方にとって、カリナンは憧れのダイヤモンドともいえるでしょう。もし、婚約指輪の宝石にお悩みなら、永遠にきらめくダイヤモンドを選んでみてはいかがでしょうか。カリナンのように素敵に輝く婚約指輪なら、きっと毎日でも身につけたくなるはずです。

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