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歴史

ダイヤモンドの価値はこうして守られてきた

婚約指輪など特別なアイテムをはじめ、さまざまな装飾品に使用されるダイヤモンド。そんなダイヤモンドの価値はどのようにして確立され、どのように守られてきたのでしょうか。ここでは、ダイヤモンドの価値が確立されるまでの歴史や、そこに深く携わってきた組織について解説していきます。婚約指輪を選ぶ際は、こうした経緯や歴史に思いを馳せながら選んでみてはいかがでしょうか。

 

宝石学から生まれた鑑定組織「GIA」

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ダイヤモンドといえば、婚約指輪をはじめとしたさまざまな装飾品に使用される宝石のひとつです。現在、ダイヤモンドの価値基準は世界各地で統一されています。現在のような一定の価値基準が定められるまで、ダイヤモンドの価値基準は混迷していました。

そんな混迷を解決したのが、“ジェモロジー”と呼ばれる学問。ジェモロジーとは、つまり「宝石学」のこと。今から80年ほど前に生まれた、さまざまな視点から宝石の価値基準を確立させるための学問です。現在のダイヤモンドのグレーディングは、ジェモロジーの考えを基準にして行われています。このジェモロジーが生まれた背景には、時代の動きが大きく関係しています。

ジェモロジーが生まれた1920年代。この時代は、宝石の偽物や粗悪品が多く世に出回っていました。それまで、宝石鑑定士達は自身の経験と洞察力を頼りに宝石の鑑定をしていました。しかし、偽物の流通が活発になるに連れ、鑑定士の目をも騙す精巧な偽物も多く出回るようになってしまったのです。そこで登場するのが、この社会現象を問題視したロバート・M・シプリーという人物。彼は科学的な観点を用いて、より正確に宝石をグレーディングしようと考えました。ロバートは、その考えを世に広めようと短期講座を開き、1931年にはGIA(米国宝石学会)を結成します。現在、GIAはダイヤモンドのグレーディングを行う機関のなかでも最高峰の組織だといわれています。今や世界的なダイヤモンドの価値基準になっている“4C”も、このGIAが導入したものです。この4Cにより、ダイヤモンドの価値を明確に数値化できるようになりました。世界中に支部を置くGIAは、現在も多くのダイヤモンドの鑑定に励んでいます。

 

宝石の価値を決める「カット」が発展した国

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さまざまな基準によって価値が決められている現在のダイヤモンド。婚約指輪に使用されるような高品質のダイヤモンドは、そうした基準をクリアしたダイヤモンドです。その基準のひとつが、ダイヤモンドの輝きを左右する「カット」です。宝石のカット技術が発展し始めたのは、16~17世紀頃のオランダだといわれています。

当時のオランダは、軍事や経済、文化など、さまざまな分野で他国を圧倒していました。一大商業国家として発展したオランダは各地との貿易を活発化させました。そして、その影響でアムステルダムは大都市として発展しました。数々の貿易品のなかにはダイヤモンドも含まれており、そこからダイヤモンドの研磨技術やカットの技術が発達していったと考えられています。そして時が流れて1973年。ダイヤモンドの基準をより明確にしようという考えのもと、オランダの隣国・ベルギーのアントワープでHDRという鑑定機関が誕生します。

 

ダイヤモンドの価値を大きく握るデビアス社

婚約指輪にあしらわれるダイヤモンドは、多くの女性の憧れです。宝石のなかでも最も価値が高いといわれているダイヤモンドですが、そこには意外な事実が隠されているのをご存じでしょうか。まず「ダイヤモンドは産出数が少なく希少」という認識。この認識は厳密にいうと、正確ではありません。実際は、ある程度の生産量が確保できているのです。産出量があってもダイヤモンドの市場価値が下がらないのは、南アフリカのデビアス社の働きが大きく影響しています。

まずデビアス社は、ダイヤモンドの価値が下がらないように、ダイヤモンドの生産調整を行いました。そして、生産されたダイヤモンドを全て買い取り、独自で販売することにより、市場の価格帯に乱れが起きないようにします。こうした生産調整や出荷規制をすることによって、ダイヤモンドは「簡単に出回らない希少な宝石」としてのイメージを確立したのです。

さらに、デビアス社が考案したキャッチコピー「ダイヤモンドは永遠の輝き」。このフレーズは世の女性達にダイヤモンド、ひいては婚約指輪への強い憧れを抱かせることに成功しました。「婚約指輪=ダイヤモンド」というイメージを世間に植えつけただけではなく、中古ダイヤモンドの市場流出の抑制にも成功しました。こうしたデビアス社の働きのおかげもあり、ダイヤモンドは依然として高い地位を保ち続けているのです。

 

今も変わらない憧れの輝き

いかがでしたか。女性の憧れであるダイヤモンドや婚約指輪は、多くの人々や組織の尽力を糧に、その価値を保ち続けてきました。こうした背景を知っていると、婚約指輪を選ぶときのワクワクや感動も、ひとしおになるかもしれません。

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