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歴史

その輝きは紀元前から。知られざるダイヤモンドの長い歴史

ダイヤモンドの誕生

まだ恐竜すら地球上に存在しなかった太古の時代、地下200km近くに存在していた炭素が高温・高圧のマグマによって偶然にも結晶化し、火山の爆発によって地表近くに運ばれました。 これが、地球にダイヤモンドが誕生した瞬間です。
自然が創りだした偶然によって、ダイヤモンドは地球に生まれたのでした。
これは、今から約45億年前のできごと。
地球誕生が約46億年前ですから、ダイヤモンドの歴史は、地球のそれとさほど変わらないほど長いものなのです。

人類とダイヤモンドの出逢い

それから何億年もの間、地球の息吹を地表から静かに見つめ続けてきたダイヤモンド。
そんな古代からの使者と人類との最初の出逢いは、紀元前800年頃のインドだといわれています。 しかし、当時、ダイヤモンドの宝石としての価値が人々に知られることはありませんでした。なぜなら、ダイヤモンドは、研磨しないことには石に過ぎないから。
それでも当時から、ダイヤモンドは、あるひとつの側面で大きな注目を集めていました。それは、その飛び抜けた硬さでした。同時代の文献でも、ダイヤモンドは、硬い鉱物一般を意味する「adamas」の一つとして紹介されている記述が。なお、「adamas」には、「征服し得ないもの」という意味があり、これがダイヤモンドの語源となっています。

その後、ヨーロッパに渡ったダイヤモンド。「インドから伝わった、とてつもなく硬い正八面体の石」は、その独特の神秘性で人々の興味を引き、魔除けの石として広まりました。

宝石としての価値の創出

そんなダイヤモンドが、宝石としての価値を発揮するようになったのは、15世紀に入ってからのこと。

ヨーロッパにおいて、ダイヤモンドの研磨方法が確立されるようになったのです。当初の研磨法は、石同士をこすり合わせ、さらにその粉末をつけた皮で磨くというものでした。

そう、ここからダイヤモンドは世界一美しい宝石への運命を辿ることとなったのです。

16世紀ルネッサンス時代に入ると、ヨーロッパでは、真珠やエメラルド、ルビーといった様々な美しいジュエリーが貴族たちの間で寵愛されるようになりました。その中で、ダイヤモンドも、新たな研磨方法やカッティング技術が試みられたことで宝石としての価値が高まっていったのです。

さらに、1700年頃になると、ベネチアの宝石職人ビンセント・ベルッチによって「ラウンド・ブリリアント・カット」が考案されます。ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すこのカット方法によって、ダイヤモンドは宝石界の主役に躍り出ることとなったのです。

ダイヤラッシュと供給の拡大

紀元前にインドでダイヤモンドが発見されて以来、長らくの間、ダイヤモンドはインドでしか産出されていませんでした。しかし、1730年にブラジルで、1866年に南アフリカで大鉱脈が発見されたことをきっかけに、その供給量と産業は右肩上がりに伸びていきました。

特に、南アフリカでの相次ぐ鉱脈の発見は、ダイヤモンドの歴史に大きな変化をもたらすものでした。この出来事をきっかけに、ダイヤモンドの採掘、流通、販売を扱う巨大カルテル・デビアス社が設立され、全世界にダイヤモンドが供給されるようになったのです。

また、ダイヤモンドが「永遠と愛の象徴」として一般的に認知されるようになったのも、当時のデビアス社の功績。デビアス社が打ち出した「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチコピーによって、ダイヤモンドは、永久の愛を誓う恋人たちのジュエリーとして広まっていったのです。

ダイヤモンドの現在と未来

 

人々を魅了しつづけ、時代を越えて受け継がれるダイヤモンド。いにしえより人類とダイヤモンドとの間に存在するのは、惹かれ合う魂の呼応なのかもしれません。それはきっと、人類の歴史が続く限り永遠に終わることのない普遍的な関係。これからの未来においても、ダイヤモンドは、永遠と愛の象徴として、人々に愛されていくことでしょう。

 

 

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