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ダイヤモンドを愛した男たち ~歴史的愛好家3選~

婚約指輪として用いられる宝石のなかでも、特に人気のダイヤモンド。ダイヤモンドは、歴史に名を残す時の権力者をも魅了したと伝えられています。ここでは、ダイヤモンドの美しい輝きに魅了され、情熱的にダイヤモンドを愛した3人の男たちをご紹介します。

5歳にして即位、72年国王として君臨した“ルイ14世”

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ルイ14世といえば、ブルボン朝の最盛期を築いたフランス国王であり、かの有名なヴェルサイユ宮殿を作り上げた人物です。そんなルイ14世は、ダイヤモンドを愛した男の1人であったと伝えられています。もっといえば、ダイヤモンドが最高級の宝石だという認識を確固たるものにしたのはルイ14世だといっても過言ではないかもしれません。

この時代、至高の宝石と呼ばれていたのは、月のしずく・人魚の涙とも称される真珠でした。そんな中でダイヤモンドを好んで身につけたルイ14世によって、ダイヤモンドはその価値や価格を高めることになっていくのです。

ルイ14世には、“1,122個ものダイヤモンドを貿易商から買い取った”、などという逸話がいくつかあります。そんななか、とくに有名な逸話といえば“ブルーダイヤモンド”に関する話です。

ルイ14世は、1669年にタベルニエという貿易商からブルーダイヤモンドを買い取っています。このブルーダイヤモンドとは、のちに「呪いの宝石」と囁かれることになる“ホープ・ダイヤモンド”のこと。ルイ14世がブルーダイヤモンドを手に入れたことで、フランス王家は衰退の一途をたどったというまことしやかな噂まで流れているほど。ルイ14世はブルーダイヤモンドを手に入れたのち、病死したともいわれています。

誰よりもダイヤモンドを愛したルイ14世ですが、その人生の終焉は奇しくも愛したダイヤモンドによってもたらされたものかもしれません。

貴族と錬金術士、2つの顔を持つ“サン・ジェルマン伯爵”

サン・ジェルマン伯爵といえば、18世紀のヨーロッパの社交界で活躍した人物です。博識で頭がよく、フランス語はもちろん、英語やドイツ語、ポルトガル語などといった10カ国以上もの言語に精通していたと伝えられています。
また、音楽や芸術の才能にも恵まれており、その非凡さは社交家でも類をみないほど。くわえて、サン・ジェルマン伯爵は錬金術士としての顔を持っており、ルイ15世が所有していたダイヤモンドの傷を消してみせた、という逸話も残されています。そんな彼自身もまた、ダイヤモンドを愛した男の1人です。

サン・ジェルマン伯爵が身につけていた装飾品には、すべてダイヤモンドがあしらわれていたとされています。指輪や腕時計はもちろん、嗅ぎ煙草入れや靴の留め金に至るまでダイヤモンドを使っていたそう。このように、細かな装飾品にまでダイヤモンドを用いていたことから、ダイヤモンド愛好家と呼ぶに相応しい人物であったと伺い知れます。

なお、この時代にダイヤモンドがあしらわれた指輪を身につけられるのは王家や貴族だけでした。一般人にダイヤモンドの婚約指輪などが普及したのは、19世紀に入ってからです。

フランス皇帝にして、時の支配者“ナポレオン・ボナパルト”

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ナポレオン・ボナパルトといえば、フランス革命の混乱の最中で、軍事によってフランス独裁政権を樹立させた人物です。数々のヨーロッパ諸国を支配下に納めたフランス帝国の英雄であり、のちに公的に皇帝にまで上り詰めることになります。そんなナポレオンもまた、ダイヤモンドを愛した男であったといわれています。

ダイヤモンドには、“運命を支配する力”や“武運を得られる力”など多くの言い伝えがあります。また、名前の由来であるギリシャ語の“アマダス”という言葉には、“征服されざるもの”や“懐かないもの”という意味があります。

ただ美しいからというわけではなく、こうした強さを象徴する意味合いから、ナポレオンはダイヤモンドを好んで身につけていたのではと推測されています。くわえて、ダイヤモンドはその希少性から価値が高いため、身につけることで権力を誇示していたのかもしれません。

ナポレオンに関係するダイヤモンドで有名なものは、“リージェント・ダイヤモンド”・“ピゴット・ダイヤモンド”・“ポーラ・スター・ダイヤモンド”の3つ。

リージェント・ダイヤモンドは、ナポレオンが戴冠式の際に身につけたといわれているダイヤモンドであり、現在はルーヴル美術館に展示されています。

ピゴット・ダイヤモンドは、ナポレオンの母親であるマダム・ボナパルトが所有していたダイヤモンドです。実在していたことは確かですが実物がなく、現在では模型のみが残されています。

ポーラ・スター・ダイヤモンドは、ナポレオンの兄であるジョセフ・ボナパルトが所有していたとされるダイヤモンドです。現在はスリランカにて個人の所有として保管されています。

婚約指輪に相応しい、特別な宝石

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ダイヤモンドは、上記の3人をはじめとする多くの権力者に愛され、徐々に一般人にも広まっていきました。さらに、19世紀になる頃には、婚約指輪=ダイヤモンドという認識が多くの人々へと浸透していったのでした。

現在、ダイヤモンドをあしらった婚約指輪の人気は高く、多くの女性の憧れとなっています。ダイヤモンドの石言葉は“永遠”と“不屈”。ダイヤモンドが婚約指輪によく使用されるのは、この石言葉が大きく関係しているのでしょう。

また、天然の物質で最も硬い石であることから、婚約指輪に用いることで婚姻が破綻しないようにという願掛けされているのかもしれません。婚約指輪や結婚指輪には欠かせないダイヤモンド、その魅力は何百年過ぎても衰えることはありません。

歴史の一欠片を薬指に飾る

いかがでしたか。

歴史を紐解いていくと、地位や権力、財に恵まれた男たちの傍らにダイヤモンドを見つけることができます。なかでも、ご紹介した3人には数々の逸話が残っていることから、ダイヤモンドを愛していた事実を知ることができます。
現在、ダイヤモンドは婚約指輪に多用されることから、身近な宝石として親しまれています。もし、婚約指輪や結婚指輪をお探しなら、ダイヤモンドを選んでみてはいかがでしょうか。そのきらめきのなかに、ダイヤモンドを愛した男たちの歴史の一欠片をみることができるかもしれません。

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