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世界で最初に婚約指輪を貰った人はだれ?婚約指輪の歴史

婚約指輪は、大切なパートナーから贈られる特別なものです。
女性なら一度は婚約指輪に憧れたことがあるのではないでしょうか。そんな婚約指輪は、今でこそポピュラーなアイテムとして知られていますが、そこには古代ローマの時代から現代まで続く長い歴史があるのです。
ここでは、そんな婚約指輪の歴史や由来についてご紹介します。

全ては鉄のリングから始まった

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婚約指輪は、結婚を約束した証として男性から女性に贈られるものです。
時代を遡っていくと、結婚は大切なパートナーと結ばれるものというよりは、公的な契約という意味合いを強く持っていました。その際、婚約を証明するものとして生まれたのが、現在の婚約指輪のルーツです。
現在の婚約指輪は、時代とともに大きな変化を経て生まれたものだったのです。

婚約をした際に“リング”を贈る習慣は、古代ローマ時代からあったと考えられています。
しかし、当時のリングは一般的に想像されるような宝石をあしらったものではなく、鉄製のリングだったといわれています。当時、結婚は“家”同士が交わす契約でした。鉄製のリングは、“固い誓い”や“強い結びつき”を示すのに最適な贈り物だとされていたのです。古代ローマの有名博物誌家であったプリニウスも、「当時の指輪は鉄製のリングだった」と書き記しています。

時代が少し進んで2世紀になると、鉄のリングに代わって金でできたリングが一般的になります。
また、金のリングを贈る際、男性が自分のイニシャルをリングに彫るという習慣も、この頃生まれます。5世紀には、婚約指輪を左手の薬指にはめるという習慣が生まれました。これは、「左手の薬指には特別な静脈が通っており、心臓に直接繋がっているから」と信じられていたためです。
現在も続く“婚約指輪を左手の薬指にはめる”という習慣は、5世紀には既にあったということになります。

さらに時代が進んで9世紀頃になると、教皇ニコラス1世によって「婚約をするためには、エンゲージリングを用意すべし」という命令が出されました。彼は「夫となる男性は、高価で経済的犠牲を払うようなリングを妻へ贈らねばならない」とし、後世まで残ることとなった“高価な婚約指輪を贈る”という習慣を定着させたのです。

記録に残る“最初に婚約指輪をもらった人物”

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古代ローマ時代に生まれたとされる婚約指輪は、前述したとおり長い歴史を持っています。2世紀頃にはすでに金でできたリングが誕生し、現在まで続く習慣も生まれました。そんな婚約指輪の最も古い贈答事例は、15世紀頃のものです。

歴史的な記録に残されているなかで最も古い婚約指輪の贈答事例は、ハプスブルク家の王子マクシミリアン大公と、ブルゴーニュ公シャルルの娘マリア公女の事例だと記されています。
マクシミリアン大公は親しくしていたドイツ人学者、モロルティンガー博士に「婚約の際には、ダイヤモンドのついた指輪を用意しなければならない」と手紙で助言されていました。この助言を受けて、マクシミリアン大公は実際にそのような婚約指輪をマリア公女に贈ったとされています。その際に贈られた指輪は聖母マリア、そして2人のイニシャルである“M”をかたどったもので、2人の結びつきを指輪によって示したといわれています。こうした事例もあり、15世紀末にはダイヤモンドの指輪を贈ることが王族同士の婚礼に欠かせない習慣となりました。その後時代を経て、19世紀頃にはダイヤモンドとともに、プラチナの婚約指輪も普及します。
加えて、白いウェディングドレスを着て挙式するという習慣も、この頃生まれました。

そして、日本で広まった

現在、婚約指輪を贈るという習慣は世界中で見られます。
では、日本で婚約指輪が一般的になったのはいつ頃のことでしょうか。一説によると、1970年頃の日本国内における婚約指輪の取得率は67%ほどだったとされています。ただし、当時の日本国内にはダイヤモンドの指輪が少なく、誕生石や真珠を使った指輪が一般的だったとされています。

その後、日本国内でダイヤモンドの指輪が普及したきっかけはテレビCMでした。
1980年代には「お給料の3ヵ月分」という印象的なキャッチコピーとともにインパクトのあるCMが流れ、婚約指輪の取得率は79%にまで上昇しました。さらに、そのうち70%はダイヤモンドの指輪だったという記録も残っています。その後も指輪やプロポーズに関する印象的なCMが作られ続け、それと同時にダイヤモンドの指輪の取得率も上昇していきました。
そして現在、ダイヤモンドの婚約指輪は日本を含めた世界中の国々に共通する婚礼アイテムとなっています。

長い歴史を経た重要なアイテム

長い歴史とともに、婚約指輪はさまざまな姿に変化してきました。
鉄や金、プラチナといった素材に始まり、指輪に使われる宝石も時代とともに変化してきました。契約の証として生まれた婚約指輪は、現在では大切なパートナーとの絆を象徴する重要なアイテムとなっています。

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