ダイヤ

宝石が放つ淡い光。ダイヤモンドの蛍光性について

「蛍光性」というものをご存じでしょうか?蛍光性は特定の条件下でのみ確認できるダイヤモンドの性質のひとつで、神秘的な色の変化を楽しめるものです。また、これは天然ダイヤモンドの特性でもあります。
今回はそんな蛍光性について、「なぜ蛍光するのか」「どのような色に光るのか」「ダイヤモンド評価に影響はあるのか」などを詳しくご紹介します。

 

ダイヤモンドの蛍光性とは?

ダイヤモンドの原子と光エネルギーが反応することで生じる現象が、「蛍光」です。ダイヤモンドの鑑定機関で使用されるダイヤモンドライトなど特殊な紫外線ライトをあてることで、無色透明のダイヤモンドがブルーやイエローなどに色づいて見えます。また無色透明だけでなく、カラーダイヤモンドにもみられることがあります。ただし、ダイヤモンドに実際に色がつくわけではなく、光源を取り除くと瞬時に元の色に戻ります。蛍光性が強いダイヤモンドなら、太陽光でも色の変化を見ることが可能です。

ダイヤモンドの蛍光性は、天然ダイヤモンドの証でもあります。現在は、最新の技術を駆使して多くの合成ダイヤモンドが作られていますが、どんなに天然のそれとそっくりでも、合成ダイヤモンドには強い蛍光性を認めることができません。
もしもダイヤモンドを所持しているのであれば、鑑定機関を利用するなどして蛍光性を確認してみてはいかがでしょうか?強い蛍光性を示した場合、あなたのダイヤモンドは天然である可能性が高いと考えることができます。

 

鑑定書から分かる蛍光性の強さと色調

蛍光性

ダイヤモンドの蛍光性は鑑定書に記載されます。鑑定の基準として用いられるのは、世界最大の非営利の宝石学研究・教育機関「GIA(米国宝石学会)」のマスターストーンです。マスターストーンと比較した上で、強さと色調が判定されます。
蛍光性の強さは、「None(なし)」「Faint(弱い)」「Medium(中)」「Strong(強い)」「Very Strong(とても強い)」の5つに分けられます。蛍光性が強いダイヤモンドほど、屋内と屋外で異なる表情を楽しむことができます。なお、蛍光性が強いダイヤモンドは希少性も高いのが特徴。過去にGIAに預けられた宝石品質のダイヤモンドのうち「None」に分類されたのは約7割で、蛍光性が認められた中でも「Medium」を超える蛍光性を持つダイヤモンドは1割程度でした。強い蛍光性を持つダイヤモンドが、いかにレアであるかが分かります。

蛍光性の色調として最も多いものがブルーです。例えば、ブルーの蛍光を持つイエローダイヤモンドの場合、互いの色を打ち消し合うことでダイヤモンドの透明度が高くなるという特徴があります。ブルーの他にはグリーンやイエロー、オレンジ、ピンク、ホワイトブルー、イエローイッシュグリーン(黄緑)などがあります。ホワイトブルーで、かつ「Very Strong」の蛍光性を持つダイヤモンドは「オイリー」と呼ばれており、ダイヤモンドが油を塗ったようにテカって見えるのが特徴です。
ダイヤモンドの蛍光性は鑑定書に記載されますが、これはグレードとしてではなく説明として記載されます。ただし近年では、「Medium」より弱い蛍光のダイヤモンドにおいては色調の記載がされないこともあるようです。

過去には、ダイヤモンドが産出された地名が色調に使われていたこともありました。例えば、プレミア鉱山から産出された強いブルーの蛍光を持つイエローダイヤモンドは「Premier(プレミア)」、ヤガースフォンテン鉱山から産出された鮮明なブルーの蛍光を持つ無色透明ダイヤモンドは「Jager(ヤガー)」と表記されていました。しかし現在は、色調に地名が使われることはありません。

 

蛍光性はダイヤモンドの評価に影響しない

小さなダイヤモンドと器具

上述したとおり、蛍光性はダイヤモンドのグレードとしては扱われません。ダイヤモンドの評価において重要となる「Cut(研磨)」「Clarity(透明度)」「Carat(重量)」「Color(色)」をまとめた「4C」とは違い、蛍光性が評価に影響を与えることはほとんどないのです。ただし、あまりにも蛍光性が強く4Cのグレードに影響を及ぼす場合、評価が下がってしまうことがあります。加えて、輸入する国で価格が左右されることもあります。例えば、ヨーロッパの一部では蛍光性の弱いダイヤモンドが人気ですが、アメリカでは蛍光性が重視されることはほとんどありません。

蛍光性のないダイヤモンドには、透き通るように美しい輝きを放つという魅力があります。そして蛍光性を持つダイヤモンドには、太陽光のある場所など特定の条件下で異なる表情が楽しめるという魅力があります。どちらも素晴らしいものであることに変わりはないため、好みのタイプを選ぶことが最も大切です。

 

お気に入りのダイヤモンドを身にまとうこと

ダイヤモンドの性質のひとつである「蛍光性」は、ダイヤモンドの新たな魅力を引き出す素敵な現象です。また、天然ダイヤモンドの証明でもあります。そして天然であるがゆえ、全く同じ蛍光性を持つダイヤモンドはふたつとないのです。世界にひとつしかないダイヤモンド。それを婚約指輪のメインストーンに使用するのも素敵ではありませんか?

数あるダイヤモンドの中から、自分好みのものを探してみてくださいね。

 

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