ダイヤ

新しい地層で採掘された!?常識を覆すかもしれないダイヤモンドを発見

ダイヤモンドは高温・高圧下で生成される鉱物で、ダイヤモンド生成の条件に合致する地層は地球誕生初期の地中深部のみだと考えられていました。しかし2017年、それよりも新しい年代に生成されたダイヤモンドが発見され、ダイヤモンド採掘に関するこれまでの常識が覆される可能性が出てきています。ここでは、具体的にどのような発見だったのか、この発見によりどのような変化が予測されるかをご紹介します。

 

若いダイヤモンドが示す新たな可能性

d-5-2

 

炭素原子ひとつからなるダイヤモンドは限られた条件下でしか生成されず、これまで発見されたダイヤモンドは主に約42億年前~30億年前に生成されたものが地表に押し上げられ存在していると考えられていました。しかし、オランダ・アムステルダム自由大学の調査により、それより遥かに新しい11億5,000万年前に生成されたダイヤモンドが存在することが発見されたのです。

年代の測定方法は、ダイヤモンドに内包されているガーネットの年代を調べるというもの。最も硬い宝石であるダイヤモンドは地中深くの情報をそのまま保存できるという特徴があり、それにより内包物を調べることでさまざまな情報が得られます。アムステルダム自由大学が調べたダイヤモンドは29億5,000万年前のものと11億5,000万年前のものに分けられ、これまではダイヤモンドがないと考えられていた地層にも存在する可能性が示されました。

ここで、ダイヤモンドが生成されて地表まで運ばれる過程を見てみましょう。
ダイヤモンドが生成されるのは地中深くのマントルの中で、地表から120km~300kmの範囲が温度・圧力ともに最適な環境です。また、同じ深さのマントルの中でも周囲より温度が低く、1,000℃前後である必要があります。これより熱いと、石墨(グラファイト)という別の鉱物になるのです。

地中深くで生成されたダイヤモンドは、マグマが地表へ吹き上がるのと一緒に押し上げられます。このとき、二酸化炭素を大量に含むマグマはガスを放出し、他のマグマよりも遥かに速いスピードで吹き上がってキンバーライトという岩石を作り出します。そのため、マントル由来のダイヤモンドはキンバーライトの中からしか発見されません。キンバーライトより遅く吹き上がってできた岩石だと、ダイヤモンドは押し上げられる間に構造を破壊され、石墨となります。
このように、ダイヤモンドは地中深くのマントルで生成され、マグマの急上昇により地表まで運ばれてきたのです。

以上の過程におけるダイヤモンドが生成される条件は、地球の歴史の中でも特定の期間でしか現れていないとされてきました。すなわち、上記にもある約42億年前~30億年前の間です。この期間でしか条件がそろわないと考えられていたのはその年代のダイヤモンドしか採掘されていなかったからですが、2017年、11億5,000万年前のものが発見されたというわけです。地球の古い時代に作られたダイヤモンドが採掘されるのは、古い地層を持つ南アフリカやオーストラリアに偏っていました。これまでの定説より新しい時代のダイヤモンドが発見されたことで、他の場所でもダイヤモンドを含む地層が発見される可能性が出てきたのです。

 

今後のダイヤモンド採掘はどう変わる?

d-5-3

 

これまでの常識では採掘されないと考えられていた年代のダイヤモンドが発見されたことで、新しい地層からダイヤモンドが採掘される可能性が高まっています。また、これまでにダイヤモンドが見つかった地層の年代には大きな開きがあるため、今後さらに別の年代のダイヤモンドが発見される可能性も。日本で入手できるダイヤモンドの数についても、さらに増える可能性があります。

ただし、ダイヤモンドの流通量が増えて希少性が下がると、その分価値も下がります。ダイヤモンドは希少だから価値を見出されていた面も強いため、もしも採掘量が増えるとしたら慎重な対応が求められるといえます。

なお別の研究にて、上記にてご紹介した120km~300kmよりさらに深い400km~2,900kmのマントル最深部にもダイヤモンドが存在する可能性が示されています。この研究が示すのはマントル最深部にあるダイヤモンドが新たに採掘される可能性ではなく、ダイヤモンドを通して地球の内部を知ることができるという期待。ダイヤモンドについては分からないことがまだまだ多いのですが、今後さらなる採掘や研究でダイヤモンドの新たな可能性が見つかるかもしれません。

 

神秘だから奥深いダイヤモンド

今回発見された11億5,000万年前のダイヤモンドは、ダイヤモンドが秘める可能性と神秘性をさらに深めました。今後、新たな地層が見つかって採掘量が増えたり、ダイヤモンドの新しい側面が発見されたりするかもしれません。最も硬い宝石であるダイヤモンドは太古より変わらない姿を保ち、極めて限られた条件のもと私たちの前に姿を現しています。それでいてまだまだ分からないことがあるという神秘性が、ダイヤモンドを人気の宝石たらしめているのかもしれません。

 

一覧へ戻る

関連コラム

この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます

新着コラム