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ダイヤモンド界のトップに君臨する企業 デビアス社の歩みと今

婚約指輪をはじめ、ネックレスやブレスレットなどさまざまな宝飾品にあしらわれるダイヤモンド。その価値は、世界的な大企業であるデビアス社によってコントロールされてきたことをご存知でしょうか? そこで今回は、そんなダイヤモンドの生産・流通のカギを握る企業、デビアス社についてご紹介します。

 

ダイヤモンド業界をコントロールする、デビアス社とは

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世界中の女性が憧れる婚約指輪。この婚約指輪にあしらわれる宝石といえば、ダイヤモンドです。そんなダイヤモンドの採掘や流通、加工などを行っている大企業が「デビアス社」です。デビアス社は、南アフリカ共和国の首都であるヨハネスブルグに本社を置く企業で、世界中のダイヤモンドのさまざまな要素をコントロールしているといっても過言ではありません。

 

そんなデビアス社が設立されたのは、1880年のこと。セシル・ローズというイギリス人が「デビアス鉱業会社」を立ち上げました。デビアス社は過去に、世界中の鉱山を次々に買収し、全世界におけるダイヤモンド流通の9割を独占していたそう。独占をすることで、ダイヤモンドの史上流通量をコントロールし、価値を高めていきました。また、ダイヤモンドの採掘・流通・加工によって得た利益を利用し、南アフリカにある鉄道会社や新聞社、電信会社をも傘下に置きました。現在でもデビアス社は、世界中のダイヤモンドを買い取って、その価格相場を決め、生産や流通のバランスをコントロールしています。

 

ここで特筆すべきは、デビアス社の創立者であるセシル・ローズの経歴です。実はセシル・ローズはダイヤモンドの採掘や加工などで成功を収めた後、政界にも進出して、ついには南アフリカの首相にまでのぼりつめています。南アフリカの政治経済を手中に収めたセシル・ローズは、「アフリカのナポレオン」という別称をつけられたそう。ちなみに、現在のザンビアやジンバブエに当たるエリアは、かつてローデシアという国家があった場所。この国名は、セシル・ローズの名前にちなんでつけられたものだとか。ジュエリーのマーケティングだけでなく、さまざまな分野で活躍したセシル・ローズ。彼が創設したデビアス社の働きによって、ダイヤモンドは現在も変わらずにその価値を保ち続けています。

 

日本のダイヤモンドの価値を決定づけた、その広報活動とは

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今や世界中のダイヤモンドをコントロールしているといっても過言ではないデビアス社。デビアス社は20世紀に入ると、自社のダイヤモンドを使用した婚約指輪をハリウッド映画に提供したり、有名女優を起用したジュエリーのCMを製作したりして、いっそう積極的に広報活動を行い始めました。このキャンペーンの根底には「人々にブランド名を植え付けることなく、ただダイヤモンドの理想的な永遠の価値を表現する」という思いがあったそう。マスメディアの力を利用したことによって、この思いは叶えられ、「ダイヤモンドは高級なもの」「ダイヤモンドといえば婚約指輪」といったイメージが世界に浸透していきました。

 

そんなデビアス社は2000年1月1日のミレニアムの式典で、英国のエリザベス女王に「ミレニアム・スター」を提供しています。ミレニアム・スターはデビアス社が所有する203.04カラットの巨大ダイヤモンドで、21世紀の幕開けに相応しいダイヤモンドでした。このように、デビアス社は世界の一大イベントや式典にも積極的に関わり、精力的に広報活動を行っています。

また、デビアス社は日本国内における広報活動にも力を入れています。デビアス社が全世界において投じる広告費は、年間300億円といわれています。そのうちの数十億円は、日本国内の市場へ投じているそう。例えば、1980年代のCMで流れた「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチフレーズは、あまりにも有名ですね。実はこれも、デビアス社の広報活動によるもの。ダイヤモンド、ひいては婚約指輪の価値を知らしめることに成功したキャッチフレーズだといえます。他にもデビアス社は、「婚約指輪は給料の3ヶ月分」、「スイートテン・ダイヤモンド」などの有名キャッチフレーズを生み出します。それまでは、上流階層など一部の人々の生活に寄り添っていたダイヤモンドを、一般人にとっても身近な存在にし、日本人のダイヤモンドや婚約指輪への憧れを駆り立てることに成功しています。

 

このように、日本人が持つダイヤモンドや婚約指輪へのイメージは、デビアス社が作り出したものともいえます。そんなデビアス社は、銀座本店を含めた9店舗を全国に展開しており、現在もダイヤモンドや婚約指輪の魅力を日本はじめ世界中に伝え続けています。

 

たった一企業が作り出す、ダイヤモンドの価値

今や世界中で愛されている宝石、ダイヤモンド。そんなダイヤモンドの価値は、デビアス社によって絶妙にコントロールされています。たった一企業の働きが、世界中に夢と憧れを送り出しているのです。彼らの働きがなければ、もしかしたらダイヤモンドの価値はそれほど世界に知られていなかったかもしれませんね。

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