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ダイヤ

ダイヤモンドの正体が“炭”って本当?

“結婚”と聞くと、真っ先に婚約指輪を連想する方は少なくありません。
ダイヤモンドは、婚約指輪をはじめさまざまな装飾品に使用されている宝石です。女性なら、ダイヤモンドをあしらった婚約指輪やネックレスなどに憧れるのではないでしょうか。
ここでは、そんな婚約指輪にも使用されているダイヤモンドの意外な正体についてご紹介します。

炭素からダイヤモンドが生まれるまで

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婚約指輪などで使用されるダイヤモンドは、炭素からできています。
つまり、ダイヤモンドは炭と同じ成分から構成されていることになります。ダイヤモンドが炭素からできているという事実は、1796年イギリスの化学者スミソン・テナントが発見した事実です。彼はダイヤモンドを燃やすことによって、ダイヤモンドが黒鉛やランプの煤(すす)と同様に“carbon”、つまり炭素から成っているという事実を発見しました。

ここであげた“黒鉛”は、鉛筆の芯として使用されているので日常生活でも比較的よく目にする物質だといえます。このように、ダイヤモンドと黒鉛は同じ“炭素”から成る物質ですが、結果として似ても似つかない物質が形成されています。ダイヤモンドと黒鉛の決定的な違いは、物質自体にかけられる圧力と温度、そして炭素粒子の結合力の強さにあります。

炭素がダイヤモンドになるためには、非常に高い温度と圧力、数百万年から数千万年単位の長い時間が必要になるといわれています。ダイヤモンドは、地球の地下100km程度の非常に深い部分でできます。地球の深層部は温度900℃~1,300℃程度、圧力は45~60kbar程度と推測され、非常に高温・高圧力であるとされます。この環境がダイヤモンドを構成する炭素粒子を強く結びつけ、このときの粒子の結合が、後々ダイヤモンド特有の透明度を支える重要な要素になるのです。

地球の深層部で形成されたダイヤモンドは、上昇してくるマグマや火山の噴火によって地上へと運ばれていきます。このとき、ダイヤモンドがゆっくりと上昇してきたのであれば地球の深層部の熱によって燃えてしまい、地表に現れることはありません。つまり、ダイヤモンドが無事に地表へ現れるためには、ダイヤモンドを取り込んだマグマが高速で地殻を通り抜ける必要があると考えられています。くわえて、ダイヤモンドは古い地質が保持されているエリアで多く採掘されます。南アフリカやオーストラリア、ロシアなどの土地でダイヤモンドが多く採掘されるのは、この条件を満たしているからだと考えられています。
ダイヤモンドはこうした複雑な条件が揃って初めて構成され、婚約指輪を代表とするさまざまな装飾品に使用されるのです。

ダイヤモンドとほかの宝石、構成成分はどう違う?

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ルビーやサファイア、エメラルドなどの宝石は、ダイヤモンドほどではないにせよ多くの装飾品に使われています。
最近では婚約指輪にダイヤモンドを使わず、自身の好きな宝石や誕生石をはめた婚約指輪をオーダーメイドする方も増えています。ダイヤモンドとそれ以外の宝石には、構成成分や構造に違いがあります。これらの違いによって、宝石の透明度や色、形状は大きく変わってきます。

ダイヤモンドは、単一元素で構成されている唯一の宝石です。
そのほかの宝石は、ほぼ全てが2種類以上の元素から構成されています。ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ宝石としてお馴染みのルビーやサファイアは、アルミニウムと酸素で構成されています。ルビー、サファイアは鉱物学的にみれば“コランダム”という酸化鉱物の一種です。コランダムは本来無色の鉱物ですが、結晶中にさまざまな不純物が含まれることによって赤色を呈するルビーに変化したり、青色を呈するサファイアに変化したりします。このほか、エメラルドやアクアマリンなどの宝石は“ベリリウム”や“シリコン”、“アルミニウム”、“酸素”など4つの元素で構成されています。

一般的に、ダイヤモンドを構成する元素の99.95%以上は純粋な炭素だと考えられています。
そして残りのほんのわずかな割合に、かすかな不純物元素が存在しています。これらの不純物元素が、ダイヤモンドの結晶の色や形状に微妙に影響を与えます。つまり、不純物の元素がダイヤモンドの個体差に影響を与えているということです。

長い年月を経て炭素からダイヤモンドへ

ダイヤモンドは、数ある宝石のなかでも特に高い人気を誇る宝石です。
希少価値が高いことはもちろん、婚約指輪などの特別な装飾品にも使用されるので知名度も相当なもの。そんなダイヤモンドの正体は、ご紹介してきたとおり“炭”であり、意外な正体だといえます。高い温度や圧力、原子の配列などさまざまな条件が揃ったときに、ダイヤモンドが誕生します。そこから採掘や研磨など人の手が加わることによって初めて、婚約指輪に使われるような正真正銘のダイヤモンドになります。炭素からダイヤモンドが誕生するためには、こうしたさまざまな要因、条件が複合的に合致し奇跡的に誕生しているため、同じものは二つと存在せず唯一無二の宝石といわれる所以がここにあります。

 

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